所長ブログ

2015年5月18日 月曜日

[書評]有馬光孝編著 船舶安全法の解説-法と船舶検査の制度-(5訂版)(成山堂書店)


1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「船舶安全法の解説-法と船舶検査の制度-(5訂版)」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

本書は、「船舶が海上において通常生ずるであろうと予想される危険に耐えて安全に航行し得るために必要な施設はもちろんのこと、船舶が予測し難い非常の危難に遭遇した場合に、人命の安全を保持するために必要な施設をしておくことにより、人命及び財産の安全を確保することを目的」(14頁)とする船舶安全法について、「各条文ごとの規定の趣旨、内容等の詳細な解説に加え、船舶検査制度、船舶検査制度の実際、近年の国際条約との関係等についても記述してある」(はしがきⅰ頁)書物である。

日本は法治国家であり、「法律による行政」が行われている国であるから、船舶安全法に限らず、多数の法律が存在する。しかしながら、憲法・民法・刑法のような基本的な法律(特に、資格試験の試験科目になっている法律)については、多数の解説書が出版されているが、船舶安全法のようなマイナーな法律については、解説書を探すだけでも一苦労という状況にあり、特に、法科大学院が誕生してからは、学者も学習書の出版に力を入れるになっていまい、マイナーな法分野の解説書は、ますます探しにくくなってしまった。

そのような中で、本書は、数少ない船舶安全法の解説書であり、しかも、「各条文ごとの規定の趣旨、内容等の詳細な解説」(はしがきⅰ頁)をしながら、制度全体を記述しているので、コンメンタール代わりにもなる貴重な書物である。今回、船舶安全法については、本書という知識をまとめるのに使いやすい書物を通読したので、今後、船舶安全法が問題となる事件が生じた際には本書に整理しつつ、本書で得た知識を活かして事件処理に当たっていきたい。

林浩靖法律事務所では、本書に限らず、広範囲の知識・情報まで把握して、お客様に常に満足できる最良のサービスを提供させていただく所存ですので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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