所長ブログ

2014年8月28日 木曜日

[書評]F.H.ネッター(相磯貞和訳)ネッター解剖学アトラス(南江堂)


1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「ネッター解剖学アトラス」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

人間が何かという質問に答えるのは相当難しいと思うが、一つ、人間肉体のメカニズムは知っておく必要があるのではないかと思う。この本は、その序(第4版の序)にあるとおり「複雑さと単純化との間でバランスをとりながら明瞭に、視覚的に、しかも林床とのかかわりを持った形で解剖学が描かれている」書物である。著者の元外科医であり、かつ、画家であったという特性から誕生した書物といえよう。

特に、時折、絵だけでなく、レントゲンの図を合わせて示している箇所があり、対照してイメージしやすさを増している点も良いと思う。病院でレントゲンを撮っても、良く分からずに見ながら、医師の説明を受けていたものが、分かりやすくなる面もある。

また、身体内部への影響だと、「甲状腺」などと言う言葉は知っていても、意味が良く分からないということはあるが、本書では、図70などにきちんと周囲も含めた絵が示されているから、イメージが持ちやすくなることが出来る。

今後とも、読書の際の友として、業務を含めた専門知識が必要な際の友として、活用したいと思う。

林浩靖法律事務所では、隣接分野の必要事項まで、きちんとフォローしていますので、必ず、ご満足いただけるサービスをご提供しています。何か、お困りごとがございましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談下さい。

弁護士 林 浩靖

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2014年8月21日 木曜日

[書評]カント(宇都宮芳明訳)永遠平和のために(岩波文庫)


1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「永遠平和のために」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

著者のカントは、ドイツの哲学者(1724年生―1804年死去)が、晩年に「永遠平和の実現を念じて公表した著作」(125頁)であり、世界の平和構築の原点を示す著作である。日本国憲法9条は、その原点を探れば、第三条項である「常備軍は、時とともに全廃されなければならない。」(16頁)に行きつき、国際連合の理念は、永遠平和のための第二確定条項である「国際法は、自由な諸国家の連合制度の基礎を置くべきである。」(38頁。なお、傍点は略した。)に行きつく。

IS(自称:イスラム国)のようなテロ組織の活動の活発化や、2012年の自民党改憲草案の公表など、平和を構築するという理念とは正反対の動きが目立つ。このような内外の情勢の中、平和構築という人類共通の大きな夢をどのように実現するかを考えるべく、このタイミングで、本書を読んだ。憲法9条は、人類共通の大きな夢を目指す第一歩であり、この思想を世界各国に広めていくことは、「平和国家」のブランドイメージを築いてきた日本にとって、重要なことだと思う。

当職も、東京・池袋で、日常の業務もきちんとこなしながら、人類共通の大きな夢を実現することに、少しでもお役にたてるように努力していきたいと思います。

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弁護士 林 浩靖

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2014年8月14日 木曜日

[書評]伊藤眞 民事訴訟法(第4版補訂版)(有斐閣)


1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「民事訴訟法」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

この本は、以前書評をした「会社更生法」(該当する記事は、こちら)と同じ著者の「民事訴訟法」である。著者は、現在は、早稲田大学大学院法務研究科客員教授であるが、本書は、実務家がよく参照する体系書である。

その最大の理由は、本書が、訴訟物理論について、旧訴訟物理論を採用していることにある。即ち、民事訴訟法学においては、給付訴訟の訴訟物について、「実体法上の請求権の個数に着目」(200頁)して、訴訟物を考える旧訴訟物理論と「給付を求める地位自体を訴訟物と考える」(201頁)新訴訟物理論の対立があり、学界では新訴訟物理論が優勢であるが、実務は旧訴訟物理論によっており、基準の明確性は実務では大きなメリットであるから、旧訴訟物理論によることが揺らぐことはないと思われるところ、本書は、信頼できる学者による旧訴訟物理論の立場からの体系書であり、信頼性は高いので、実務家がよく参照する体系書ということになる訳である。もちろん、体系書であるから、全てが実務と同じ見解という訳ではないが、根本の部分が同じなので、使いやすいことは間違いない。唯一の欠点は、特別手続である「督促手続、手形・小切手訴訟手続、少額訴訟手続」や国際民事訴訟手続が「すべて割愛」(はしがきⅷ頁)されていることであり、ここは問題になったときは、他の体系書で補充する必要があるが、民事訴訟の通常手続については、信頼できる体系書であり、現実の世界では、手続的にギリギリと理論を詰める必要があるような問題は少ないことも考えると、民事訴訟法の体系書はほぼ本書で賄えると言っても過言ではない。

民事訴訟は、弁護士にとって最大の業務であることは現在も変わっておらず、林浩靖法律事務所は、民事訴訟を、多数取り扱っており、必ず、ご満足いただけるサービスをご提供しています。何か、お困りごとがございましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談下さい。

弁護士 林 浩靖

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2014年8月 7日 木曜日

夏季休暇のお知らせ

弊事務所は、明日8月8日(金)から、14日(木)まで、夏季休暇とさせていただきます。

そのため、本日夕方以降のお問い合わせに関しましては、8月15日(金)以降の回答になりますので、ご了承賜りますようにお願いいたします。

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2014年8月 4日 月曜日

[書評]江頭憲治郎 株式会社法(第5版)(有斐閣)


1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、江頭教授の「株式会社法(第5版)」です(本記事は書評なので、この後は、「です」「ます」調ではなく、「だ」「である」調で書きます。)。

本書の著者は、早稲田大学大学院法務研究科教授である。江頭教授自身、そのはしがきで、「本書は、...仕事で会社法に携わる実務家が日常に参照することを主に想定した株式会社法の体系書」(1頁)と述べているが、本書は、旧版の時代から、東京地裁商事部(民事第8部)在籍の現役裁判官らの執筆による「類型別会社訴訟/類型別会社非訟」(判例タイムズ社)、高野一郎弁護士の執筆による「会社法実務ハンドブック」(中央経済社)と共に、「会社法三種の神器」の一つと言ってもいい書物であり、当職も、会社法が問題になったときは、まず、参照する書物である。

そのような江頭教授の基本書が、平成26年6月20日の会社法改正に素早く対応して改正されたので、旧版は持っていたが、この機会に最新版を購入して、読み直してみた。この本は、名著であることは間違いないが、対象としているのは実務家(特に、裁判官、弁護士、司法書士)であり、学生などの初学者が使うべき本ではない。この本は、閉鎖会社など通常の基本書ではあまり触れられていない問題にもきちんと触れられており、会社法を実務で使う際には便利であるが、レベルはかなり高く、大学生や法科大学院生では読みこなすのは無理であろう。司法修習生でもかなり厳しいと思われるレベルである。これらの方には、別の体系書を基本書として、この本は使うとしても辞書代わりとして、手になじませる程度にのみ使うことを勧めたい。逆に、実務家には、本当に頼りになる基本書であり、調べ物のとっかかりにも便利である。

林浩靖法律事務所は、会社法に関する業務を、多数取り扱っており、最新の法改正もきちんとフォローしていますので、必ず、ご満足いただけるサービスをご提供しています。会社法務に限らず、何か、お困りごとがございましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談下さい。

弁護士 林 浩靖

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