所長ブログ

2013年4月27日 土曜日

[書評]モニカ・ラインマン(ダニエル・ケルン、福原美穂子編訳)ドイツ語の基本 文法と練習 (第2版)

語学書を一つ、書評をしたいと思います(本記事は書評なので、ここからは、「です」「ます」調ではなく、「だ」「である」調で書きます。)。
当職がドイツ語に出会ったのは、16年前の大学1年生のときに、第2外国語として選択したときだった。大した理由もなく選択したのだが、途中何回か中断しながらも、ドイツにあるGoethe-Institut(ドイツ外務省の外郭団体で、国際的にも信頼性の高い語学学校である。)に短期留学するなど学習し続けている。もっとも、仕事の役に立ったのは、弁護士になってから一度だけだから、趣味で続けていると言って差支えないだろう。

さて、この本は、「ドイツのHueber Verlag(ヒューバー出版)から刊行され、世界中で利用されている„Grundstufen-Grammatilk für Deutsch als Fremdsprache, Erklärungen und Übungen"に手を加えた、日本の学習者向けの文法解説・問題集」である(まえがき)。
ドイツで行われている文法の説明と日本で行われている文法の説明で、若干、異なる場合がある。もちろん、どちらの説明も正しい(当然である)のではあるが、説明の視点が違うのである。そして、どちらの説明が良いという訳ではないが、日本流の説明で納得できなかったことが、ドイツ流の説明で納得できることもあるし、逆に、日本流の説明の方が良く分かるということもある。
当職は、ドイツ語については独検2級を持っているが、文法の復習も兼ねて、この本に取り組んだ。ドイツ流の説明で疑問が解けたところもある。(逆に訳が分からなくなりそうなので、流して読んだところもある。)本書は、少なくとも、大学1年生の第2外国語の授業を聞いて、文法のドリルも1冊やってからでないと、その良さは分からないと思う。

最近は、外国語というと英語か中国語で、ドイツ語やフランス語は、昔にくらべてやる人が少なくなったと思うが、趣味としてやるのも良いものである。
今までで1回しか業務の役には立っていないが、外国人法律問題でお役にたてるかもしれません。外国人法律問題に限らず、更に専門性を磨き、皆様に満足していただける法的サービスを提供する所存ですので、お困りのことがございましたら、ぜひ、ご相談ください。

林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖

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2013年4月20日 土曜日

[訃報]上田徹一郎名誉教授がなくなって思うこと

昨日の記事ですが、インタ-ネットで、以下の内容の記事を見つけました。
訃報:上田徹一郎さん 82歳=関西学院大名誉教授、民事訴訟法専攻 /兵庫

毎日新聞 2013年04月19日 地方版

 上田徹一郎さん 82歳(うえだ・てついちろう=関西学院大名誉教授、民事訴訟法専攻)17日、腹膜炎のため死去。葬儀は19日午前11時、京都市南区西九条池ノ内町60の南ブライトホール。喪主は長男誠一郎(せいいちろう)さん。

〔阪神版〕

当職は、上田先生の講義を聞いたことも、上田先生にお会いしたこともありませんが、先生が、法学書院から出されている「民事訴訟法」(現在は、第7版になっています。)は、司法試験の受験生だった15年前に購入して、それからもずっと愛用している基本書です。面白くないなどという批判の声もありましたが、概ね穏当な見解を採用していることもあり、基本書として、辞書として本当に重宝しました。当職にとって、民事訴訟法の基本を身につけさせてくれた本であることは間違いなく、今も、辞書代わりとして使っています。

上田先生がお亡くなりになり、残念でなりません。謹んで、お悔やみ申し上げます。

民事訴訟法は、民事訴訟の手続きを定めた法律ですから、裁判を行う際に民事訴訟法から逃げるわけにはいきませんので、上田先生のご著書で学んだことを、これからもご依頼を受けた事件の処理に活かしたいと思います。

林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖

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2013年4月19日 金曜日

自己破産について思うこと

本日は、あるご依頼者様の自己破産の申立てを東京地方裁判所に行いました。

自己破産しようとしている人には、大きく分けると、2パターンの人がいます。一つは、いわゆる事業者の方で、事業の状況が思わしくなく、そのために、破産やむなしとなった人です。もう一つは、一般の方で、要するにお金の使い過ぎで、サラ金などから借り入れて回していたもののどうしようもなくなり、返済できる方法もないので、自己破産せざるを得なくなった人です。

前者の事業者の方の場合は、景気が悪かったり、取引先の破たんなどで焦げ付きができたために破たんとなったために、気の毒だと思うことも多く、また概ね、書類もきちんとしているので、取引先(すなわち、債権者となる方)が多いという手間はありますが、当職も仕事がし易いと言える方々です。

後者の一般の方の場合は、要はお金の使い過ぎが原因ですから、状況が把握できなくなっていることも多く、書類もそろわず、いい加減な方が多いという印象を受け、当職としても、業務上、非常に苦労することになります。このタイプの方は、弁護士のところに来るときには明らかに支払いのしようがない状況になっている場合が多いので、破産すること自体はせざるを得ないのですが、本人の生活を改めさせない限り、再度、金銭的に苦しい状況を生む可能性が高いことが多く、生活指導(言い換えれば、お小言です)も、業務の一環と割り切って接するよりありません。(業務さえできればと、ほったらかすのも一つの方法ですが、それでは本人のためにならないことが多いです。)お金を払って、お小言を言われる依頼者も気の毒とは言えますが、本人のためと思って割り切ってもらうよりありません。

一度の失敗で、永久に借金返済に追われるのは、社会として健全ではないですから、再チャレンジの機会は与えるべきですが、後者の方の場合は、生活指導もきちんとしておかないと、ただ、関係者に迷惑をかけているだけということになってしまいますから、本人の再チャレンジに少しでも役立てるように、きちんと対応したいと思います。

事業者の方も、一般の方も、多額の借金で苦しんでいるような場合は、早く弁護士に相談する方が良いことは間違いありませんので、ぜひ、東京・池袋にある林浩靖法律事務所にご相談ください。

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2013年4月 9日 火曜日

民事調停という手続

本日は、民事調停の期日のため、千葉県の松戸市にある松戸簡易裁判所へ行きました。

調停は、訴訟と異なり、強制的に相手方を手続に引き込むことはできず、その意味では、弱点のある手続きですが、訴訟と異なり、証拠が完璧にそろっていなくても、あるいは、理論的には苦しい状況でも、一定の結果を目指すことができるという点や、安価な手続きであるという点では、使い道のある手続きだと言えます。

紛争には、真ん中に第三者が入って話し合えば、解決すると思われる事件が多数あります。そのような事件で、相手方が話し合いには応じそうであり、かつ、自分の方にも理論的に弱点がある場合や証拠が明らかに足りない場合は、調停申し立ても、一つの有力な方法です。

林浩靖法律事務所では、訴訟に限らず、調停や仲裁などの裁判外紛争解決手続(ADR)も用いながら、依頼者のために、少しでも良い結果が出るようにしておりますので、何かお困りごとがありましたら、東京・池袋にある林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

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2013年4月 7日 日曜日

爆弾低気圧

本日は、福島県南相馬市の仮設住宅で、福島第一原発事故の被害者の方のための法律相談をさせていただきました。

本来は、日帰りで東京・池袋から福島県南相馬市を往復する予定だったのですが、台風なみの暴風を伴う爆弾低気圧が接近した影響で、昨日、福島に入って一泊し、今日も、福島市に一泊して、明朝、東京へ戻ることになりました。

福島県南相馬市は、東日本大震災の前は、常磐線の特急「スーパーひたち」号が停車する原ノ町駅がある交通の便の良いところだったのですが、東日本大震災のあとは、南側は原発事故の、北側は津波の影響で、常磐線が不通になってしまい、陸の孤島のようになってしまっています。東京から行く場合、福島駅まで新幹線で行き、あとは車で行くというが一番早い交通手段になってしまいました。もっとも、車も福島駅から1時間半ほどかかるので、かなり大変なことは否定できません。

少しでも早く、常磐線が全面復旧し、南相馬市の皆さんが、少しでも、東日本大震災前の生活に近づけることを願ってやみません。当職も、法律相談など、自分にできることで貢献したいと思っています。

林浩靖法律事務所
弁護士 林 浩靖

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