所長ブログ

2014年2月27日 木曜日

勾留理由開示

刑事訴訟法上、勾留理由開示という手続があります(刑事訴訟法82条以下)。この手続は、勾留されている被疑者・被告人、弁護人その他の一定の利害関係人からの請求に基づいて、公開の法廷で、裁判官がいかなる理由で勾留したかを明らかにする手続ですが、別の目的での使い方として、接見禁止がついている被疑者・被告人に、家族等の顔を見せて、元気づけるために使うということがあります。即ち、この手続は、「公開の法廷」で行われることになっていますから、当然、誰でも傍聴できるわけです。そのために、接見禁止がついて、弁護人としか面会できない被疑者・被告人でも、顔を見ることはできるわけです(会話はできません)。そのため、精神的に厳しい状況に置かれている被疑者・被告人を元気づける目的も兼ねて、この手続きを使うことがあります。

京都で逮捕されているご依頼者のために、今日は、ご依頼者のご両親にも京都に来ていただいて、勾留理由開示の手続きをしました。前夜の会議を終えて、夜9時の新幹線で大阪入りして、午前中に事前の打ち合わせをするというあわただしい日程でしたが、依頼者の方も、少しは元気を取り戻したようで、ほっとしました。

早期釈放へ向けて、これからも頑張りたいと思います。

東京・池袋所在の林浩靖法律事務所では、刑事事件に限らず、どのような事件でも、最良のサービスをご提供しますので、お困りの際には、ぜひ、林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

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2014年2月23日 日曜日

船引へ

東京・池袋にて、皆様のためにいつも頑張っている、弁護士の 林 です。

今週は、火曜日には京都へ出張しましたが、今日は、福島県田村市船引町への出張です。以前にも、ブログを書いた(該当する記事は、こちら)都路町からの避難者の事件が、本格的に始まることになり、そのための打ち合わせです。

原発事故の被災者のために頑張ることもこれからも続けていきたいと思いますし、もちろん、それ以外のことでお困りの方にも、これ
からも寄り添っていきたいと思いますので、お困りごとがございましたら、ぜひ、東京・池袋の林浩靖法律事務所にご相談ください。

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2014年2月18日 火曜日

京都

昨日の午後、1本の電話がかかってきました。

相手:「京都の○×警察署の△□ですが、うちで逮捕した●▲が、林先生に電話してくださいと言っているので電話しました。」
当職:「分かりました。明日か明後日には伺うと本人にお伝えください。」

この●▲さんは、当職が以前に法律相談を受けたことにある方ですが、取引先が、●▲さんの会社から納入を受けたモノを使って犯罪をしていたというだけであって、、●▲さんの会社は、納入先が東京都から業務停止命令を受けて、違法行為に利用していることが分かった時点で取引を打ち切っており、到底、●▲さんに犯罪が成立するとは思えない事件でしたし、そもそも受けていた法律相談は、取引を打ち切った後、売掛金が入ってこなくなったので、どうすればよいかというものでしたから、まさに、踏んだり蹴ったりとしか言いようがない事件です。しかも、逮捕されたのが、京都の警察署ということで、京都まで連れて行かれたということですから、東京からでは、頻繁に接見に行くのが難しいので、関西の知り合いの弁護士に一緒にやってもらう方が良いと考えて、昨日のうちに、司法修習の同期同クラスで、弁護士としての経験・能力的にも信頼がおける大阪の東山俊先生に一緒にやってもらうようにお願いしました。ということで、急遽、今日は、京都へ行き、東山先生と落ち合って、接見に行きました。京都へ着き、警察署の最寄駅で、東山先生と落ち合って、接見に行きました。京都は、小雪が舞っていました。

●▲さんを励まし、簡単な注意事項を伝えた後は、東京へ戻ることになります。完全な不当逮捕としか言いようがない事案ですから、不起訴処分という本人にとって最善の結果が出るように出るように全力を尽くします。

林浩靖法律事務所では、地方の案件等、必要があれば、他の事務所の弁護士とも連携して、ご依頼者様にとって最善の結果が出るような体制を取っておりますので、刑事事件に限らず、お困りごとがあれば、ぜひ、林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

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2014年2月11日 火曜日

[書評]中島肇 原発賠償中間指針の考え方(商事法務)

1冊、書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「原発賠償中間指針の考え方」です(本記事は書評なので、この後は、「です」「ます」調ではなく、「だ」「である」調で書きます。)。

本書の著者は、元裁判官で、現在は、弁護士・原子力損害賠償紛争審査会委員である。原子力損害賠償紛争審査会は、「『当事者による自主的な解決』(原賠法18条1項)に資するための規範」(はしがきⅳ頁)として、「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の判定等に関する中間指針」(以下、単に、「中間指針」とする。)を公表しており、中間指針は、既に、第四次追補まで公表されている。そして、本書では、出版の時期との関係で、第二次追補までが資料として収録されている。

本書の「内容は、体系的ではなく、中間指針の文言からは理解しにくい考慮要素を審査会での議論や資料を自分(注:著者のこと)なりに咀嚼して重点的に述べたもの」(はしがきⅲ頁)と述べており、全般的な解説ではないが、中間指針を策定したメンバーである委員自身による解説書であり、その有用性は大きい。中間指針は、「上限ではない」ことを、追補のたびに、原子力損害賠償紛争審査会は明記しているところであるが、実際には、東京電力は、上限のごとく運用するという不当な態度を取り続け、裁判においても、あたかも中間指針の通りに賠償すべきという、中間指針の意味を理解しない主張をし続けており、本書も参考に、かかる主張を退けさせなければならない。

当職は、本書で得て知識も生かして、原発事故被災者のためにさらに頑張る所存ですし、また、原発事故以外についての情報も、常にキャッチアップするように努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

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2014年2月 4日 火曜日

[書評]石井一正 刑事事実認定入門(第2版)(判例タイムズ社)

1冊、書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「刑事事実認定入門」です(本記事は書評なので、この後は、「です」「ます」調ではなく、「だ」「である」調で書きます。)。

本書の著者は、元札幌高等裁判所の長官で、刑事畑を長く歩んだ裁判官である。著者もはしがきで指摘しているが、「刑事裁判における事実認定の重要性や困難性」(はしがきⅳ頁)は、実務に携わる者全員が感じていることだろう。当職は、法科大学院制度が導入される前に弁護士になったので、事実認定を初めて勉強したのは、司法研修所での前期修習であった。しかしながら、良い参考書は正直なかった。法科大学院制度が誕生し、法科大学院で学生に事実認定も教えなくなったため、いろいろな本が出版されるようになった。ただ、事実認定が、どうしても事例判断的な要素が強い分野であることもあり、判例を分析したようなものは多いが、本書のように考え方をまとめた本は少ない。

本書は、証拠構造でまとめているので、例えば、犯人性(犯人と被告人の同一性)の検討方法が、自白のような直接証拠がある場合は、66頁以下、状況証拠で認定しなければならない場合は、119頁以下に分かれているなど、若干使いにくい部分もあるが、基本的な判例はきちんと押さえたうえで、考え方をまとめている本として、有益だろう。法科大学院生だけでなく、実務家にとっても、考え方を押さえるための書籍として有益である。本文141頁の薄い本なので、一気に読めるところもよい。法科大学院生には、ぜひ、最初に読んでほしい書物であるし、勉強した内容をまとめて、情報を補充、整理していくと、いつでも参照できる刑事事実認定の書籍に育つだろう。

林浩靖法律事務所では、刑事事件だけでなく、民事事件についても最良のサービスを提供できるように、常に情報をブラッシュアップしていますので、何かお困りごとがございましたら、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

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