所長ブログ

2015年6月 1日 月曜日

[書評]伊藤和夫 予備校の英語(研究社)

1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「予備校の英語」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

本書の著者は、元駿台予備学校の講師で、大学受験英語の世界では、自他ともに第一人者として認められていた人物である。

当職は、大学受験のために浪人していた際に、講習で伊藤先生の講義を受けたことがある。その直後の1997年1月に、伊藤先生はお亡くなりになられた。

本書は、その伊藤先生の英語教育論をまとめたものである。英語教育を含む「外国語教育の最大の目的は日本語の理解と運用力を高めることにある」(123頁)という外国語教育の出発点を押さえた上で、「『読む』と言うのは英文を『内容』から考えると同時に『形』からも考えるという二重の作業」(170頁)という言語論や、「ゆっくり読んでわかる文章を練習によって早く読めるようにすることはできるが、ゆっくり読んで分からない文章が早く読んだらわかるということはありえない」(31頁)という当然のことを前提とした英語教育の方法論など大学受験英語教育の第一人者の言語論、教育論が明かされる興味深い書物である。

著者がお亡くなりになって、既に18年経ったが、状況が変化しているようには見えない。やはり、特定の分野で第一人者になるような方には、時代を超えた本質が見えているのだと思う。

当職は、まだ「第一人者」と評価されるような分野を持っているわけではない。しかしながら、そのような分野を持てることも目指して、日々精進していますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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