所長ブログ

2016年6月20日 月曜日

[書評]和田俊憲 鉄道と刑法のはなし(NHK出版新書)

1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「鉄道と刑法のはなし」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

本書の著者は、刑法を専門とする慶応義塾大学法科大学院教授である。著者本人も鉄道ファンということであり、「鉄道と法は、一次元的に制約された閉じた体系であることを前提に、そこから生じる様々な可能性を追求していくというあり方が共通している」(6頁)との認識を示している。

本書は、鉄道に関する場で生じた刑事事件をとりあげながら、鉄道のトリビアや刑法の歴史・問題点などを述べている。例えば、「刑法本体が...段階的に近代化を目指している途中で、鉄道の導入にともない、その分野だけがまず先行して近代法を実現した」(29頁)といった歴史的な経緯や、「法律上、鉄道の駅は『停車場』、軌道の駅は『停留場』」(60頁)等の指摘がある。

本書は、いわゆる学術書ではなく、楽しんで読める書物であるが、その中には、普通の刑法の基本書には書かれていない刑法の知識や考え方も含まれており、結構、深い内容のある書物である。

林浩靖法律事務所では、細かい問題にも目配りし、お客様に常に満足できる最良のサービスを提供させていただく所存ですので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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