所長ブログ

2016年10月10日 月曜日

[書評]髙橋安幸 根本陸夫伝 プロ野球の全てを知っていた男(集英社)

1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「根本陸夫伝 プロ野球の全てを知っていた男」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

当職が中学生・高校生の頃は、プロ野球は、「西武黄金時代」と言われた時代であって、毎年秋に、当時、西武ライオンズ監督であった森祇晶監督が胴上げされるのが恒例行事となっていた。その西武黄金時代の基礎を築き、管理部長(実質はゼネラルマネージャー)として、フロントで辣腕をふるっていたのが、根本陸夫氏である。

本書は、その根本陸夫氏について、20名以上の証言者の証言を基にその生涯を描こうとするものである。例えば、元オリックスブルーウェーブ監督の森脇浩司氏の証言の中に出てくる根本氏の言葉として、「当事者なんだけど、客観的な視点で見ておきなさい。客観的に見れば、変化の起点がはっきり分かるから。」(337頁)などは、プロ野球の話だけでなく、いろいろなことに当てはまるだろう。ある意味、人生訓の詰まった書物ともいえる。

ただ、このような辣腕をふるった根本氏の後継者となると、例えば、浜田昭八氏が、「"根本陸夫„には、後継ぎがいなくて、一代で終わっています。」(262頁)と言うように、多くの証言者が、後継者はいないと証言しており、唯一の例外は、元東北楽天ゴールデンイーグルス監督の大久保博元氏の「今の日本球界で本当のGMになり得るのは、西武球団シニアディレクターの渡辺久信さんぐらいでしょう。」(37頁)という証言だけである。プロ野球も組織化しているようであるが、元埼玉西武ライオンズ監督の渡辺久信氏が、根本陸夫氏のような辣腕GMになることを期待したい。

今回は、全く業務に関係のない書物の書評をしましたが、それでも、弁護士としても考えさせられる記述はありました。

林浩靖法律事務所は、法律に限らず、教養を身に着け、社会のためという確固たる信念を持って業務しておりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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