所長ブログ

2014年9月 3日 水曜日

[書評]川井健(良永和隆補筆)民法案内 13事務管理・不当利得・不法行為(勁草書房)



1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「民法案内 13事務管理・不当利得・不法行為」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

この本は、以前書評をした「民法案内1 私法の道しるべ(第2版)」(該当する記事は、こちら)のシリーズで、財産法の最後の部分にあたる書物である。このシリーズは、「我妻先生においても遺作となった『民法案内第11巻』の後を引き継」いで(はしがきⅱ頁)財産法の最後の部分を、我妻榮東京大学名誉教授の最後の弟子である川井健一橋大学名誉教授が執筆したものである。

この本が出版されているのを見たとき、大変驚いた。我妻名誉教授の後を、我妻名誉教授の弟子にあたる先生方が執筆して完成させたいという希望を有していたことは、川井名誉教授以前の補訂者もはしがきに同様なことを書かれていたので知っていたが、どの先生方も鬼籍に入られ、「最後の弟子」川井名誉教授も昨年5月に鬼籍に入られたからである。

しかしながら、川井名誉教授は、亡くなる直前まで「本書の執筆・完成に取り組」み(はしがきⅱ頁)、その原稿を良永和隆専修大学法科大学院教授が補筆して、本書が出版された。良永教授が、一部を川井名誉教授の基本書を参考にして補った影響かもしれないが、一部に学説の羅列と思われるところもあるが、概ね、基本的な対立点から書き起こされており、特に、不法行為法が、学説が乱立して、混迷を深めた状況になっている現在、本書が出版されたことは喜ばしいと思う。

不法行為は契約と並ぶ重要な話で、当然、普段、取り扱う事件でも問題になります。原発事故などは、不法行為法の塊のような事件です。林浩靖法律事務所では、基本から最新の事項まで、きちんとフォローしていますので、必ず、ご満足いただけるサービスをご提供しています。何か、お困りごとがございましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談下さい。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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