所長ブログ
2016年4月25日 月曜日
[書評]中野貞一郎 民事裁判入門(第3版補訂版)(有斐閣)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「民事裁判入門(第3版補訂版)」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書の著者は、以前、書評をした「民事執行法(青林書院)」(該当する記事はこちら)の共著者(原著者)で、「民事執行・保全入門(補訂版)(有斐閣)」(該当する記事はこちら)の著者である、中野貞一郎大阪大学名誉教授である。
初版はしがきにおいて、著者は、「本書は、民事裁判の『入門』であって、いわゆるファースト・ステップの本ではない」(はしがきⅳ頁)と述べているが、確かに初学者がいきなり読んでも、あまり効果があるとは思えない。この本が一番役に立つのは、基本的事項は学んだはずなのに、イメージが湧かない学習者だろう。あとは、司法修習生が民事裁判手続の全体像を確認するのにも有用かもしれない。
本書は、「現実の裁判例をもとにし」たケース(4頁)を多数収録して、読者にイメージを湧かせながら、「円環的構造をもつ」(はしがきⅳ頁)民事訴訟法を、「家事事件の手続に関する1章」(はしがきⅱ頁)として、「12 家庭紛争と裁判」(343頁以下)を設けるなど、民事訴訟法に限らず、民事裁判全体を概観させている。民事訴訟法を初めて学ぶ初学者が読むのは厳しいとしても、一定の学習をしたものが、民事裁判手続全体を概観するには有用なものとなっている。
弁護士の仕事において、民事事件はその中核を占める業務です。もちろん、離婚事件などの家事事件も多数あります。林浩靖法律事務所は、基礎事項をきちんと学んでおりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、正義を守る法律事務所である東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
投稿者 林浩靖法律事務所