所長ブログ

2015年10月22日 木曜日

[書評]池上彰・佐藤優 大世界史 現代を生き抜く最強の教科書(文春新書)

1冊、業務と関係のない書物の書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「大世界史」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。

この本は、フリージャーナリストである池上彰氏と、以前、書評をした「新・帝国主義の時代 左巻 情勢分析篇(中央公論新社)」(該当する記事はこちら)、「世界史の極意(NHK出版新書)」(該当する記事はこちら)「同志社大学神学部」(該当する記事はこちら)の著者である、作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏の共著である。

池上氏は、「時代背景を知っておかないと、現在の出来事もなかなか読み解けない」(16頁)と述べているが、まさに、なぜ歴史を学ぶ必要があるのか、その教養としての意味はなにかを示す言葉である。そして、その結果、最後に佐藤氏が述べるよう歴史の意義、すなわち、「歴史とは、判断基準として他に何も頼るものがない時に、それでも頼りにしうる何か」(248頁)であること、即ち、最後の判断基準を身につけるために必要なものであることが分かる。

具体的な歴史的事実を押さえながら、対談は展開されているが、勿論、新書本一冊で世界史が全て書ききれるはずはない。この本の意義は、なぜ歴史を学ぶ必要があるのか、その実益は何かを示していることにあると思う。歴史的事実をきちんと押さえ、歴史を学ぶためには、高校の教科書や専門家が書いている通史のシリーズ本を読むべきであろう。ただ、そこで述べられている歴史を知ることの意味を知ることも必要であり、その役割をこの本は果たしていると思う。

弁護士という仕事は、依頼者の皆様のために頑張るのは勿論ですが、悪をはびこらせるようなことはあってはならず、そのための価値判断をきちんと持っていないと悪の手助けをすることになりかねない面があります。歴史にきちんと学び、必要なときは困難とも闘いながら、正義を実現していきたいと思います。何かお困りのことがありましたら、ぜひ、正義を守る法律事務所である東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。

弁護士 林 浩靖

投稿者 林浩靖法律事務所

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