所長ブログ
2016年5月 9日 月曜日
[書評]原田尚彦 行政法要論(全訂第七版[補訂二版])(学陽書房)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「行政法要論」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書の著者は、行政法学者である原田尚彦東京大学名誉教授である。「本書は、比較的短期間に行政法を習得する人びとのための研修用テキストないしその副読本として、初学者にも容易に理解できるよう、できるだけやさしく行政法理論一般の解説を試みたもの」(はしがきⅰ頁)であり、長年、公務員試験の行政法の基本書として用いられることの多かった書物である。
本書の最終の改訂は、2012年になされたため、その後の法改正は反映されておらず、例えば、2013年に廃止された独占禁止法の実質的証拠法則の話が残っている(410頁など)箇所などもあるが、それでも、本書の有用性は失われるものではない。本書は、「各人が現代にふさわしい行政法理論を各自の頭で創造し形成していく訓練をつむことが、日常の行政実務の改善に役立つばかりでなく、行政法学の発展のためにも、重要」(はしがきⅰ頁)という観点から、行政法の考え方を説明する書物だからである。
林浩靖法律事務所では、行政法に限らず、常に基本を押さえて検討するように努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
本書の著者は、行政法学者である原田尚彦東京大学名誉教授である。「本書は、比較的短期間に行政法を習得する人びとのための研修用テキストないしその副読本として、初学者にも容易に理解できるよう、できるだけやさしく行政法理論一般の解説を試みたもの」(はしがきⅰ頁)であり、長年、公務員試験の行政法の基本書として用いられることの多かった書物である。
本書の最終の改訂は、2012年になされたため、その後の法改正は反映されておらず、例えば、2013年に廃止された独占禁止法の実質的証拠法則の話が残っている(410頁など)箇所などもあるが、それでも、本書の有用性は失われるものではない。本書は、「各人が現代にふさわしい行政法理論を各自の頭で創造し形成していく訓練をつむことが、日常の行政実務の改善に役立つばかりでなく、行政法学の発展のためにも、重要」(はしがきⅰ頁)という観点から、行政法の考え方を説明する書物だからである。
林浩靖法律事務所では、行政法に限らず、常に基本を押さえて検討するように努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
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2016年5月 2日 月曜日
[書評]除本理史 公害から福島を考える-地域の再生を目指して(岩波書店)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「公害から福島を考える」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書の著者は、以前書評をした「福島原発事故賠償の研究」(日本評論社)(該当する記事は、こちら)、「原発災害はなぜ不均等な復興をもたらすのか」(ミネルヴァ書房)(該当する記事は、こちら)の編著者の一人である大阪市立大学大学院経営学研究科の除本理史教授である。
本書は、「福島原発事故由来の放射能汚染はいまや国内『最大の環境問題』」(1頁)という観点から、公害事件の教訓を踏まえて、福島第一原発事故を考えようという書物である。ただ、「被害者救済の前提は『被害の実態把握、原因の究明と責任の明確化』」(103頁)であるにもかかわらず、福島第一原発事故の場合、そもそも被害者数さえ正確に把握されておらず、責任を負うべき東京電力株式会社と国は、責任の曖昧化に腐心しているのが実情である。本来は、「賠償と復興過程を対立的に捉えるのではなく、復興を進めながら、なお残る被害に対して適切な賠償を実施すべき」(177頁)でありながら、政府と東電は、賠償の打切りをどのように行うかしか考えていないように思われる。
本書の著者が、主に、川内村と飯館村の状況を中心に研究しているため、被害地域の全てに同じ議論が成り立つと言えるかには疑問の残るところもあるが、福島第一原発事故の「損害」が何かを考える上で有用な書物であることは間違いない。本書で得た知識も生かして、これからも原発事故被災者のために頑張りたいと思います。
また、原発事故以外についての情報も、常にキャッチアップするように努めていますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
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2016年4月25日 月曜日
[書評]中野貞一郎 民事裁判入門(第3版補訂版)(有斐閣)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「民事裁判入門(第3版補訂版)」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書の著者は、以前、書評をした「民事執行法(青林書院)」(該当する記事はこちら)の共著者(原著者)で、「民事執行・保全入門(補訂版)(有斐閣)」(該当する記事はこちら)の著者である、中野貞一郎大阪大学名誉教授である。
初版はしがきにおいて、著者は、「本書は、民事裁判の『入門』であって、いわゆるファースト・ステップの本ではない」(はしがきⅳ頁)と述べているが、確かに初学者がいきなり読んでも、あまり効果があるとは思えない。この本が一番役に立つのは、基本的事項は学んだはずなのに、イメージが湧かない学習者だろう。あとは、司法修習生が民事裁判手続の全体像を確認するのにも有用かもしれない。
本書は、「現実の裁判例をもとにし」たケース(4頁)を多数収録して、読者にイメージを湧かせながら、「円環的構造をもつ」(はしがきⅳ頁)民事訴訟法を、「家事事件の手続に関する1章」(はしがきⅱ頁)として、「12 家庭紛争と裁判」(343頁以下)を設けるなど、民事訴訟法に限らず、民事裁判全体を概観させている。民事訴訟法を初めて学ぶ初学者が読むのは厳しいとしても、一定の学習をしたものが、民事裁判手続全体を概観するには有用なものとなっている。
弁護士の仕事において、民事事件はその中核を占める業務です。もちろん、離婚事件などの家事事件も多数あります。林浩靖法律事務所は、基礎事項をきちんと学んでおりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、正義を守る法律事務所である東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
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2016年4月18日 月曜日
[書評]佐藤優 危機を覆す情報分析~知の実戦講義「インテリジェンス」とは何か~(角川書店)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「危機を覆す情報分析~知の実戦講義『インテリジェンス』とは何か」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
本書の著者は、以前、書評をした「新・帝国主義の時代 左巻 情勢分析篇(中央公論新社)」(該当する記事はこちら)、「世界史の極意(NHK出版新書)」(該当する記事はこちら)、「同志社大学神学部(光文社)」(該当する記事はこちら)の著者である、作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏である。
本書は、「基本的に国家の仕事」(22頁)であるインテリジェンスについての書物だが、インテリジェンスにおいて、「大切なのは基礎知識」(33頁)であるため、後半は、教養のみにつけ方を解説するものとなっている。
「理解ができない、訳が分からない事態が起きていても必ず合理性があります。合理的に説明できないときは、知識が不足しているか、あるいは切口が間違えているか、その両方か、そのいずれかと捉えるべきでしょう。」(41頁)という部分は、何事にも当てはまると思う。そして、物事を理解するためには、基礎知識が必須ということになる。「中学三年から高校二年ぐらいまでの学びが、教養の基本形」(101頁)であるから、「今の自分の欠損箇所を素直に認めて、そこからスタートすること」(127頁)が勉強法の要諦ということになる。
高等学校レベルの基礎知識、アンカーとしての古典(181頁)を押さえることを心がけたいと思う。
弁護士という仕事は、依頼者の皆様のために頑張るのは勿論ですが、生じているトラブルは社会情勢が反映される面があります。法律以外の点についても、基礎事項をきちんと学んでおりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、正義を守る法律事務所である東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
本書の著者は、以前、書評をした「新・帝国主義の時代 左巻 情勢分析篇(中央公論新社)」(該当する記事はこちら)、「世界史の極意(NHK出版新書)」(該当する記事はこちら)、「同志社大学神学部(光文社)」(該当する記事はこちら)の著者である、作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏である。
本書は、「基本的に国家の仕事」(22頁)であるインテリジェンスについての書物だが、インテリジェンスにおいて、「大切なのは基礎知識」(33頁)であるため、後半は、教養のみにつけ方を解説するものとなっている。
「理解ができない、訳が分からない事態が起きていても必ず合理性があります。合理的に説明できないときは、知識が不足しているか、あるいは切口が間違えているか、その両方か、そのいずれかと捉えるべきでしょう。」(41頁)という部分は、何事にも当てはまると思う。そして、物事を理解するためには、基礎知識が必須ということになる。「中学三年から高校二年ぐらいまでの学びが、教養の基本形」(101頁)であるから、「今の自分の欠損箇所を素直に認めて、そこからスタートすること」(127頁)が勉強法の要諦ということになる。
高等学校レベルの基礎知識、アンカーとしての古典(181頁)を押さえることを心がけたいと思う。
弁護士という仕事は、依頼者の皆様のために頑張るのは勿論ですが、生じているトラブルは社会情勢が反映される面があります。法律以外の点についても、基礎事項をきちんと学んでおりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、正義を守る法律事務所である東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
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2016年4月11日 月曜日
[書評]川戸昌・二宮加美編著 近代文語文問題演習(駿台文庫)
1冊書評をしたいと思います。今回、書評をするのは、「近代文語文問題演習」です(本記事は書評なので、この後は、「です」、「ます」調ではなく、「だ」、「である」調で書きます。)。
先日、書評を行った出口汪「現代文講義の実況中継②(改訂版)」(語学春秋社)(該当する記事は、こちら)にて、近代文語文の読み方を学んだので、問題演習を行うことにした。「明治期の文化人たちが工夫して作った『新しい論理的文章』」(3頁)で、「現代の論文・評論文の土台」(3頁)になっている近代文語文であるが、大学入試での出題は、非常に限られていることもあり、近代文語文の読み方を練習できる書物は少ない。というか、ほぼ、本書一冊といっても良い状況にある。
本書の編著者は、共に、駿台予備校の国語科講師であり、本書は、「一橋大学・早稲田大学・上智大学の過去の入試問題とサンプル問題とで構成」(4頁)されている。「近代文語文は、『このように近代化はあるべきだ』という論調を基本」(4頁)としており、「日本近代化史」(4頁)を示すものといえる。本書では、森鴎外の「洋楽の盛衰を論ず」から、山田孝雄「国語の中に於ける漢語の研究」までの14の文章を取り上げて、全訳や文法解説も行いながら、解説している。取り上げられている問題文の著者も、西周、福沢諭吉、幸田露伴、坪内逍遥、徳富蘆花、中江兆民、永井荷風、夏目漱石と重要な者ばかりであり、近代文語文の読み方を身に着けるだけでなく、教養としても読んでおくべき著書がそろっていると言える。加えて、重要と思われる5つの文法ポイントについても、コーナーを設けての解説がなされており、現在のところ、近代文語文の読み方を身に着けるという観点では、ほぼ唯一の使える書物と言える。
法律の世界では、一部の大審院判例は今でも生きているが、それは戦前の文章であるから、近代文語文に近い形態で書かれている。近代文語文の読み方を身に着けることは、業務でも役立ちことといえる。また、森鷗外、夏目漱石、福沢諭吉、中江兆民の文章などは、教養として当然、押さえておくべきものであろう。
林浩靖法律事務所は、法律に限らず、教養を身に着け、社会のためという確固たる信念を持って業務しておりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
弁護士 林 浩靖
先日、書評を行った出口汪「現代文講義の実況中継②(改訂版)」(語学春秋社)(該当する記事は、こちら)にて、近代文語文の読み方を学んだので、問題演習を行うことにした。「明治期の文化人たちが工夫して作った『新しい論理的文章』」(3頁)で、「現代の論文・評論文の土台」(3頁)になっている近代文語文であるが、大学入試での出題は、非常に限られていることもあり、近代文語文の読み方を練習できる書物は少ない。というか、ほぼ、本書一冊といっても良い状況にある。
本書の編著者は、共に、駿台予備校の国語科講師であり、本書は、「一橋大学・早稲田大学・上智大学の過去の入試問題とサンプル問題とで構成」(4頁)されている。「近代文語文は、『このように近代化はあるべきだ』という論調を基本」(4頁)としており、「日本近代化史」(4頁)を示すものといえる。本書では、森鴎外の「洋楽の盛衰を論ず」から、山田孝雄「国語の中に於ける漢語の研究」までの14の文章を取り上げて、全訳や文法解説も行いながら、解説している。取り上げられている問題文の著者も、西周、福沢諭吉、幸田露伴、坪内逍遥、徳富蘆花、中江兆民、永井荷風、夏目漱石と重要な者ばかりであり、近代文語文の読み方を身に着けるだけでなく、教養としても読んでおくべき著書がそろっていると言える。加えて、重要と思われる5つの文法ポイントについても、コーナーを設けての解説がなされており、現在のところ、近代文語文の読み方を身に着けるという観点では、ほぼ唯一の使える書物と言える。
法律の世界では、一部の大審院判例は今でも生きているが、それは戦前の文章であるから、近代文語文に近い形態で書かれている。近代文語文の読み方を身に着けることは、業務でも役立ちことといえる。また、森鷗外、夏目漱石、福沢諭吉、中江兆民の文章などは、教養として当然、押さえておくべきものであろう。
林浩靖法律事務所は、法律に限らず、教養を身に着け、社会のためという確固たる信念を持って業務しておりますので、何かお困りのことがありましたら、ぜひ、東京・池袋所在の林浩靖法律事務所にご相談ください。
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